大判例

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大阪地方裁判所 昭和32年(ワ)2318号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔事実と判断〕「原告甲(夫)及び同乙(妻)の子である原告丙男(当時四歳)は被告両名(夫婦)の子丁女(当時四歳くらい)らとともに被告方玄関前で遊戯中、丁が所持していたおもちやの刀を振つたので、これが左眼球にあたり失明するに至つた。してみると、被告両名は弁識能力のない丁を監督する親権者として共同して右傷害により発生した損害を賠償する責任がある。そして、証拠によると、甲は右傷害の治療費として合計金三三、四〇〇円を支払つたことが認められるとともに、丙が右失明によつて現在及び将来にわたつて精神上の苦痛を受けることが明らかであり、またその親である甲、乙が精神上多大の苦痛(生命侵害に比肩するか否かはおく)を蒙つたことは、右原告らの尋問の結果によつてもうかがわれるところであるから、被告両名は共同して甲が支出した治療費及び原告三名の精神上の苦痛を慰藉すべき義務がある。」

裁判所は大要右のごとく述べた上、事故発生当時の状況のほか、甲及び乙の職業、収入、被告(夫)の職業、収入、財産等を考慮し、なお、本件事故発生の原因となつた刀は原告方の所有に属し仏壇裏に格納してあつたところ、乙は丁がこれを持出すのを制止せず、このように原告らが刀の保管につき注意を払わず、乙が制止を怠つたことが事故発生の一因になつているという原告側の過失をも斟酌し、前記治療費全額のほか丙三〇万円、甲乙各一〇万円の慰藉料の請求に対し、右治療費中三万円ならびに丙一五万円、甲乙各三万円の各慰藉料の請求権を認め、被告らは共同してその支払をなすべき義務があるとした。

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